理容室・バーバーが顧客平均単価をアップさせる具体的方法
理容室・バーバーの稼働率が80%を超えてくると新規集客の受け入れが難しくなってくるので、売り上げアップが難しくなってきます。
稼働率を100%に近づけるというのも売り上げアップの1つの選択肢ですが、これぐらいになると「顧客平均単価をアップさせる」という選択肢の方が簡単になってきます。
しかし理容室・バーバーにとって顧客平均単価をアップさせる施策を行うことに抵抗を感じたり、色々試したけど上手くいかなかった経験をお持ちの方もいることでしょう。
そこで今回は「理容室・バーバーが顧客平均単価をアップさせる具体的方法」と「どうすれば成功しやすくなるか」について詳しく解説を行います。
目次
顧客平均単価をアップさせることが難しい理由
理容室・バーバーの皆さんは一度は顧客平均単価をアップさせるために施策や努力をした経験がおありだと思います。
しかしなかなか良い結果に結びつかなかったのではないでしょうか?
男性客をメインとする理容室・バーバーにとって、顧客平均単価はかなり難しいと思います。
それは美容室でも同じで、女性の平均単価が6,846円・男性の平均単価が4,241円ということにも表れています。
なぜ男性客の平均単価をアップさせることが難しいかを少し掘り下げてみましょう。
理由①男性は変化を望まない
理由の1つとして、男性はあまり変化を望まない傾向が強いことにあります。
毎回同じ施術・同じメニューを受けることにこだわり、新メニューや新商品などを積極的に利用・購入しようという意識があまりありません。
これはヘアスタイルにも表れていて、スタイルを変えるのではなく毎回同じスタイルに仕上げることが男性客の最優先になります。
仕事上ヘアスタイルを変えたりパーマをかけられないというのも、変化を望まない理由でしょう。
理由②自分で新しいスタイルを決められない
理由の2つ目として、何か変えたいと思っていても新しいスタイルなどを自分で探す・決めることが苦手な人が男性には多いということがあります。
そもそも何かを相談することが苦手な男性が多いので、「髪型を変えたいけど、何が良いかわからないから提案して欲しい」ということを言葉に出来ないのです。
理由③髪を切るという行為に大きな価値を感じていない
そして理由の最も大きいものは、男性の多くは髪を切る・新しいスタイルを作るということにそれほど価値を感じていないということです。
なので1000円カットを選ぶ男性が多いです。また「 男性がヘアーカットに出す金額は、2,000円未満が約半数」というデータもあります。
男性だから平均単価アップが難しい
顧客平均単価をアップさせることが難しい理由を3つ紹介してきましたが、これは「男性の特性」と言えるものです。
この男性の特性に対して工夫を凝らしたアプローチをしないと、なかなか平均単価アップには結びつきません。
理容室・バーバーが顧客平均単価をアップさせることに手こずるのは、ある意味しょうがないことだと思います。
顧客平均単価をアップ4つの方法
理容室・バーバーが顧客平均単価をアップさせるための4つの方法について解説を致します。
①オプションメニューを利用してもらう
基本メニューであるカットに加えてオプションメニューを利用してもらいましょう。
理容室・バーバーには様々なオプションメニューがあります。最近ではヘッドスパを導入しているお店も増えてきました。
他にはマッサージメニューだったり顔のエステメニューなどもありうるでしょう。
爪のケアを行うバーバーも出てきています。
このように様々あるオプションメニューを1つでも利用してもらえるようにしていくことが平均単価をアップにつながります。
オプションメニューがないお店は、導入することを検討すべきでしょう。
②パーマ・カラーを利用してもらう
男性客の多くはカットのみの利用が多いですが、パーマ・カラーの利用を増やしていきましょう。
基本的にはお客様が積極的に「パーマしたい」「カラーをしたい」と言うのは稀なケースです。
なのでお店側からどのような提案を行うかが重要になるでしょう。
また男性の「変化を嫌う」という傾向にどうアピールするかも工夫する必要があります。
③店販を増やす
施術サービスだけでなく店販を増やしていきましょう。
理容室・バーバーのお客様の多くは、施術サービスだけ受ける人ばかりです。
そのような方に毎回1つだけでも商品を購入してもらえるようになれば、平均単価が上がります。
ただ店販には宣伝が必ず必要です。ただ商品をお店に置いておくだけでは売れることはありません。
各商品の売りをどのようにお客様に伝えて購入につなげるかがポイントになります。
④各サービスの値上げをする
最もシンプルな平均単価アップの方法は、各サービスの値上げを行うことです。
例えば基本メニューであるカットを3,000円から3,500円に値上げするとしましょう。
月に200人のお客様を相手にしている場合、理想的に行けば売上は60万円から70万円にアップします。
しかし値上げをすることで離脱するお客様も想定しておかなければいけません。
そういう意味では他の方法と比べてリスクが高く、離脱顧客数を想定して新規集客に一層の力を入れていくことが必須であると言えます。
どうすれば成功させることが出来るのか?
以上の4つの方法は、理容室・バーバーの経営者にとって「当たり前な方法じゃないか」と思うかもしれません。
確かに当たり前な方法なのですが、その当たり前を成功につなげられていないのが現実です。
成功には工夫が必要だとお話しました。どのような工夫が各方法を成功させて、平均単価アップにつなげられるかをお話していきます。
今回最も重要な部分だと言えるでしょう。
①詳細な説明を載せた宣伝ツールを用意する
「オプションメニューを利用してもらえない」「店販が増えない」場合は、説明不足という要因が大きいです。
ですからお客様のためにそれぞれのサービス・商品の宣伝ツールを用意しましょう。
当社がおススメするのは、チラシ・パンフレットなどの紙媒体とホームぺージでの宣伝です。
お客様がオプションサービス・商品を利用したくなる情報を掲載しましょう。
ホームぺージでも詳細な説明しておくと、初めてのお客様でもオプションメニューを利用してくれたりします。
またホームぺージ上でおススメの商品を解説しておくと、お客様と対面したときに自然と商品を紹介しやすくなります。
「自分がお客様の立場ならどんな情報を欲しいか」を考えて、宣伝ツールを作っておきましょう。
理屈だけでなく感情に訴える
宣伝ツールに載せるサービス・商品の説明は、次のような項目を意識すると成功率が高まります。
・お客様がどんなお悩みを抱えているのか
・なぜそのサービス・商品で悩みを解決できるのか
・悩み解消した結果、どのような生活が待っているのか
サービス・商品自体の説明という「理屈」に加えて、上記3つの「お客様の感情」を意識した説明を発信することで、お客様に「これは自分が利用すべきものだ」と思ってもらえて、サービス・商品の利用を促すことが可能になります。
②自然な提案力をつける
お客様にパーマ・カラーを利用してもらうには、担当スタッフさんの「自然な提案力」を磨く必要があります。
カットだけのお客様がパーマ・カラーを利用するには、パーマ・カラーを用いたスタイルをスタイリストが提案をしなければいけません。
この提案が上手くいけばパーマ・カラーを利用してくれ、仕上がったスタイルを気に入ってくれれば継続してパーマ・カラーを利用してくれるでしょう。
またスタイルを変えることの楽しみも感じていただけるので、お客様によっては積極的に「こんなスタイル似合うかな?」と相談してくれるようになります。
しかし不自然なタイミングで提案をしてしまった場合、お客様は提案を「売り込み」と感じてしまい、提案が失敗してしまいます。
「自然な提案力」というのは、お客様に売り込みに感じさせない提案だと言えるでしょう。
③お客様の自発的な質問を促す
お客様から質問があると、スタッフさんもオプションメニューや店販について説明しやすくなります。そのためにお客様の自発的な質問を促ような「仕掛け」を準備しておきましょう。
例えば施術中のお客様の目に入るところに、サービス・商品に関するポップやポスターを用意しておきます。
上手くいけばお客様から「あれって新しいメニュー?」と質問してくれるので、そのタイミングでそのお客様向けの説明をすることが出来るでしょう。
また来店したお客様の待合スペースにもポップやポスターを用意しておけば、お客様が質問をしてくれる可能性は高まります。
お客様の自発的な質問を促すことが出来れば、お店側は売り込みのような提案ではなく自然な提案につなげやすくなることは間違いありません。
④値上げの理由をしっかりと説明する
各サービスの値上げを成功させるには、値上げの理由をしっかり説明することが重要です。
お客様にメリットのない値上げだと離脱者が増えますが、お客様にメリットがある値上げであるなら、納得して継続してくれるお客様が増えます。
そのための理由の説明です。なぜ値上げをするのか・それはお客様にどんなメリットがあるのかを言葉を尽くして説明をしましょう。
また説明には正直さも重要です。例えばパーマやカラーを材料自体の値上がりによってサービスを値上げせざるをえないなら、その旨を隠さず説明するべきです。
「昨今材料の高騰が続いており、このままだとクオリティの維持が難しくなってしまいました。お客様の質の高いサービスを継続して提供するために、この度値上げをさせていただくことになりました。」などと説明すれば、ほとんどのお客様は納得してくれるはずです。
まとめ
理容室・バーバーが顧客単価をアップさせることが難しい理由、アップさせるための方法、その方法の成功率を高める方法について解説をしてきました。
まとめると単価アップのために理容室やバーバーが行うべきことは、「お客様への説明の機会を増やし、かつ説明の質を高めるということ」です。
説明の機会を増やすためにはお店としての仕掛けが必要になります。
説明の質を高めるためには、宣伝ツールを用意したりスタッフさんの説明能力を向上させる必要があります。
それぞれ努力でなんとかなることなので、ぜひこの記事を参考にしていただき顧客単価をアップさせてみてください。
ちょっした説明の工夫で状況が大きく変わることもあります。